

寄せ植えのすき間から、ふわっと広がるグリーンのじゅうたん。
小さくて繊細な葉が密に茂る「パリダム」は、見た目も触り心地もとってもやさしい雰囲気の多肉植物です。
ナチュラルな雰囲気が好きな方や、寄せ植えをふんわり可愛く仕上げたい方にぴったり。
今回は、そんなセダム・パリダムの魅力と育て方をご紹介します。
名前、別名
パリダム、真珠星万年草(シンジュボシマンネングサ)
科、属
ベンケイソウ科セダム属
タイプ(生育期)
春秋型
交配式(母×父)
パリダムは自然界に自生している原種のセダムで、特定の親を持つ交配種ではありません。そのため「交配式」は存在せず、学名 Sedum pallidum で呼ばれています。
紅葉

実は、よく似た「パリダム」と「パリダム斑入り」では、紅葉の仕方がまったく違うんです。
通常のパリダムは紅葉しにくく、通年ほぼ緑色のまま。でも斑入りタイプは、寒くなると白っぽい斑がやさしいピンク〜赤色に染まり、とても可愛らしい姿になります。
見た目の変化を楽しみたい方には、斑入りパリダムがおすすめですよ。
パリダム(通常の緑葉)は、
→ 紅葉しにくい or ほとんど紅葉しないとされています(やや色づく程度の場合もありますが、目立つ紅葉は基本なし)。
パリダム斑入り(パリダム・バリエガータ)は、
→ はっきりとピンク〜赤系に紅葉します。特に寒い時期に美しく染まるため、観賞価値が高い品種です。
増やし方(おすすめ順)
- 子株が出るのを待つ
- 茎をカットして挿す
- 正直勝手に増えます
パリダム、パリダム斑入り 育て方
春


栽培環境
直射日光があたり、風とおしの良い場所に置きましょう。
水やり
土が乾いたら、底穴から水がジャージャー出るまでたっぷりあげます。
肥料はこの時期にあげるとより成長します。
植え替え・カット・葉挿し
この時期にやりましょう。適期です。
梅雨時期前に、もりもりになった苗をカットして隙間を作ってあげたほうが、風通しがよくなり蒸れにくくなります。
夏


栽培環境
人間と一緒で太陽の光にずっとあたっていると、葉が日焼けします。日焼けしてもその葉を葉挿し(秋以降推奨)してもいいですし、そのままでも大丈夫です。
遮光ネットや不織布を掛けたりして、適度に陽が当たるようにしましょう。
小さい虫が茎や葉裏に付きやすい時期です。早めに殺虫剤などまいて対策しておきましょう。
水やり
梅雨時期には長雨に当たらないように、ビニールをかけたり、軒下や車庫の下などの場所へ移動しましょう。蒸れが特に気になる時期ですが、夕方に気温を下げることと虫対策でサッと水をかけたり、最近は暑すぎるため、苗が枯れないように目安として鉢の上部1/3くらいまでしみるように水をあげたり、活力剤をあげてもいいと思います。
植え替え・カット・葉挿し
植え替え時、根っこを痛めてしまう可能性があり、休眠期には根っこが出にくいのでおすすめしません。
カットはカットした元の株が焼けて(いままで日に当たっていなかった苗の場所がカットにより露出するため)しまう恐れがあります。
葉挿しは、暑すぎるのでカリカリになるリスクが高いです。
家では一年中屋外で管理していますが、夏時期は葉と葉の間があいてしまいます。
秋


栽培環境
直射日光があたり、風とおしの良い場所に置きましょう。
陽が傾き夏時期にあたっていなかった棚の奥まで陽が届き、焼ける場合があります。
水やり
土が乾いたら、底穴から水がジャージャー出るまでたっぷりあげます。
肥料はこの時期にあげるとより成長します。
植え替え・カット・葉挿し
この時期にやりましょう。適期です。
冬


上記左側は、土の上に落ちたパリダム斑入りが勝手に増えました。右側の写真はコンクリートの隙間で育っています。
栽培環境
天気予報で気温がマイナス近くになる夜は、玄関や部屋の中に入れるか、不織布や毛布、ビニール、新聞紙などかぶせて、霜や雪、冷気から守って下さい。朝には太陽のひかりがあたるようにしてくださいね。
水やり
水やり後葉や土の中に残った水分が凍ってしまう可能性があるので、なるべく暖かい日に慎重にあげましょう。
植え替え・カット・葉挿し
植え替え時、根っこを痛めてしまう可能性があり、休眠期には根っこが出にくいのでおすすめしません。
カットと葉挿しは、氷点下になるリスクがあるのでおすすめしません。
パリダム、パリダム斑入り育て方まとめ
ふんわり広がる細かい葉っぱが魅力の「パリダム」は、寄せ植えの足元を優しく彩ってくれる、控えめだけど頼れる存在です。明るいグリーンの葉は、どんな植物とも相性がよく、ナチュラルな雰囲気を引き立ててくれます。
一方で、ちょっぴり個性をプラスしたい方におすすめなのが「斑入りパリダム」。葉に白い模様が入っていて、見た目がぐっと華やか。寒くなると、斑の部分がほんのりピンクに色づき、季節ごとに表情を変えてくれるところも魅力です。
静かに寄り添うような「パリダム」、ちょっとおしゃれで表情豊かな「斑入りパリダム」。
どちらも小さくてかわいいけれど、それぞれに違った良さがあります。あなたのお気に入りは、どっちでしょうか?
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